特定非営利活動法人 自閉症eサービス

谷町オフィス

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自閉症eコラム

eコラム(12)乗り越えが大事か?

読者の皆さんの中には、近視や老眼でめがねやコンタクトレンズを使っている人も多いでしょう。視力が0.1なら、裸眼で生活することはかなり不便だし、危険でもあります。車を運転することはできないし、仕事もままならない。かく言う私もその一人です。

 そんな私に、「めがねを使わずに、よく見てみろ」と周囲から求められたら、どうしましょう? しかし、一生懸命目を凝らして見ようとしても、遠くの看板の文字が読めない私に、「何でこれぐらいできないの!」と、ちゃんと見ることのできない私が悪いかのように扱われたら、どうでしょう?

 

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eコラム(11)「自立」の意味

最近「自立」にまつわって、こんな話を聞きました。

  学校の先生はよく「子どもが自立して動けて・・・」と言うのですが、どうも先生が手を抜くために、子どもが一人で過ごしてほしいようなんです。それって「自立」なんでしょうか?(養護学校に子どもを通わせている母親より)

  集団が苦手な利用者にスタッフがマンツーマンでずっと個別対応しています。個別対応のときは落ち着いて行動できていますが、現場では、その人を集団の中に入れて過ごしてもらったほうがいいという意見もあって、まとまりません(入所施設の職員より)

  障害者自立支援法と言っても、結局財源がないから支援を薄くして、自立を強要しているように思える。いろんなサービスがあり、さらに利用者から1割負担も求めているが、そういうサービスがあれば障害者は地域で自立した生活が送れるのかというと、全然そんなことにはなっていない(地域生活支援センターで働くスタッフより)

 

 

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eコラム(10)絵カード

ここ数年、自閉症支援の現場ではPECS(Picture Exchange Communication System)が急速に普及しています。PECSについてはまたの機会に検討するとして、ここではPECSに代表される「絵(写真も含め)カード」による支援について考えたいと思います。

方や「絵カードを使って自閉症の子どもをロボットのように動かしている」という批判があり、その一方で「自閉症の子どもには是非絵カードを使うべきです」と主張する人もいます。絵カードはそういう意味で、支援者には刺激的な存在です。

 

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eコラム(9)「自立課題」と「教材グルグル」の大きな違い

「教材グルグル」という言い方をご存知でしょうか。ある地域のある施設や学校だけで通用する特殊な用語かもしれませんが、要するに、「自閉症の人向けの教材や作業課題を、作っては崩し、作っては崩しして、何度も使いまわして本人にやらせること」を指します。

 

 例えば、施設の日中場面で、ある自閉症の利用者がボールペンの組立て作業をしているとしましょう。しかし、それは実際の工賃仕事でも何でもない。現場スタッフは、その利用者が作ったボールペンを回収しては作業場の陰で分解しておき、彼が手持ち無沙汰になったり一定の時間がきたら、またその分解したボールペンの材料を彼に渡して、再度「ボールペンの組立てをしてください」と指示する、というサイクルになる。材料がグルグルと利用者とスタッフの間を回るサマから、「教材グルグル」と言われる訳です。

 

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eコラム(8) 入所施設とグループホーム

障害者自立支援法が施行され、いよいよ「施設から地域へ」という流れが本格化すことになります(と思っているけど?)。そこで槍玉に挙げられるのはもっぱら入所施設のほうで、簡単に言えば、施設=ダメ、地域=良いという図式です。じゃあ、ここで言う地域とは何を指しているのか。そこで、期待されている社会資源の1つが、グループホーム(自立支援法では、ケアホームというのも出てきました)です。

 つまり、「施設から地域へ」という標語の具体的な中身は、「施設を出てグループホームで暮らす」ということのようです。が、私がこの図式に疑問を持っています。

 

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eコラム(7) 注意書き

先日、利用者がいない時間に、とある施設の作業場を見せていただく機会がありました。何人かの自閉症の人がここで作業をしているそうです。現場スタッフはそれなりに自閉症の人たちには個別化と視覚支援が有効だと認識しているようで、個々に作業エリアを設け、スケジュールを用意したり作業の手続き(=ワークシステム)を整理して本人に提供しているとのことです。

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eコラム(6) 自己選択・自己決定

自己選択」や「自己決定」ということで、利用者に決めてもらう、利用者の言い分を最大限受け入れよう。そういう考え方で、現場の支援が進められていることがあります。利用者の意思や人権や生活を尊重することは、現場支援の大前提であり、異論はありません・

しかし実際場面では、どういう状況になっているでしょう。

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eコラム(5) 個別プログラムと毎日の暮らし

先日、ある若手の施設職員と話をしていたら、こういう嘆きを聞きました。

 

「車の好きな利用者をさそって昼休みに施設の車を洗っていたら、上司から注意されたんです。それは『個別プログラム』で計画されたことか? ちゃんと家族と確認し上司の決裁を受けないとダメだろう、と。いったいどこまで計画書に書かないといけないんでしょうか」・・・そんな内容でした。

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eコラム(4) 盗食

 古くからある福祉施設では、「盗食(とうしょく)」という用語を使っているところがあります。もちろん、最近できた施設でも使っているところは使っていますが。

「盗食」とは「利用者が他人の食べ物を盗んで食べること」を指す施設業界用語です。

 たとえば、こんなふうに使われます。給食の時間、ご飯やおかずがトレーに置かれて食堂のテーブルに並べていたとしましょう。そこに、ある利用者がやってきて、自分の席に座るやいなや、他人のおかずをサッと取って食べてしまったとき、職員はその光景を見て「あ、盗食した!」と言って叱ったりするのです。そして、その利用者が何度も「盗食」を繰り返すと、言うことの聞かない困った人・問題行動を起こす人、となっていきます(前回参照)

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eコラム(3) 「問題行動」

自閉症の人が、ときに、自傷したり物を壊す、人を叩く、かんしゃくを起こすことがあります。服破きや唾吐き、水遊びが止まらない、作業をしない、他人のおやつをとってしまう、急に走り出す、職員に質問ばかりしてくるということもある。そういう行動がおさまらないと、現場はそれを「問題行動」と呼びます。スタッフから「困ったことをする」と言われ、そういう行動を起こす自閉症の人に対する非難が集まります。そして、集団の輪を乱す、他人に迷惑をかける、職員の言うことを聞かない、となっていく。

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eコラム(2) 構造化(Structure)

自閉症支援に「構造化」ははずせない用語です。しかし、構造化ほど、日本の支援現場の中で誤解されてきた言葉もありません。曰く「カードで自閉症の人をロボットのように動かそうとしている」「衝立の中に自閉症の人を押し込めている」「構造化すると、自閉症の人は主体的に活動できなくなる」「構造化するよりも、もっと普通の環境の中で自閉症の人を過ごさせるべきだ」などなど。

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eコラム(1) TEACCH

質問その1、「TEACCH」は何の略ですか?

質問その2、「(TEACCH」の本場)ノースカロライナ州はどこにありますか?」

質問その3、「TEACCHとは構造化ですか?」

 

自閉症支援の仕事をして、TEACCHという言葉を聞いたことのない人は珍しいでしょう。しかし、その割にTEACCHに対する偏見や誤解もいろいろ聞きます。

いやいやもっと手前の段階で、TEACCHの基本的な事実を知らないのでは、と思ってしまうこともよく経験します。                

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